店舗の水の使用量が増えるときの水道メーター口径変更|名古屋市の手続き・費用・料金の確認点

店舗の水の使用量が増えるときの水道メーター口径変更|名古屋市の手続き・費用・料金の確認点

店舗の開業や増設で水の使用量が増えるときは、メーターの口径を自分で決めるのではなく、席数や厨房機器などの計画がまとまった段階で、市指定給水装置工事事業者と名古屋市上下水道局に、現在の口径と給水管で足りるかを早めに確認するのが基本です。口径を大きくする場合は、直接工事費・基本工事費・設計審査手数料の3つが必要になり、工事は市指定水道工事業者を通じて申し込みます。まずは、増やす設備の一覧と営業開始予定日を手元にそろえてから相談を始めましょう。

  • 水の使用量が増えるときに、口径と給水管の見直しが必要になる場面
  • 名古屋市で口径を大きくするときの依頼先と手続きの順序
  • 費用の項目、水道料金への影響、営業開始日から逆算するスケジュールの考え方

金額や手続きは、2026年10月時点で名古屋市上下水道局が公開している情報に基づいています。改定されることがあるため、申込みの前に必ず最新の公式ページで確認してください。


店舗の水の使用量が増えるとき、口径と給水管の確認が必要になる場面

席数、厨房設備、トイレ、洗い場が増えて水を使う場面が重なりやすくなるときは、現在のメーター口径と給水管で必要な水量を送れるかが確認の対象になります。ただし、水の使用量が増えれば必ず口径の変更が必要になるわけではなく、確認の結果「変更は不要」と判断されることもあります。

確認のきっかけになる増設の例

たとえば、次のような変更では、同時に使う水の量が変わる可能性があります。

  • 席数が増える、または営業スペースを広げる
  • 厨房設備や食器洗い用の機器、洗い場を追加する
  • トイレや手洗い器の数を増やす
  • 給湯機器を増設する、または大きいものに替える

水の使用量は「1日にどれだけ使うか」だけでなく、「混み合う時間帯に何か所で同時に使うか」でも変わります。計画段階で、増やす設備を具体的に書き出しておくと、後の相談がスムーズです。

メーターだけでなく、宅内の給水管と水圧も確認の対象になる

名古屋市上下水道局の給水工事施行基準では、給水管の管径は、配水管の水圧が計画上いちばん低い場合でも、必要な水量を供給できる大きさにするものとされています。計算では、管の摩擦、メーターや水栓による損失、立ち上がりの高さなどを見込むと説明されています。湯沸器のように最低限の作動圧力が必要な器具がある場合は、その分の水圧も確保する必要があります。

つまり、見直しの対象はメーターの口径だけではありません。メーターから先の給水管の太さや長さ、設備の位置、使う機器の条件も合わせて確認されます。

口径は「大きくすれば安心」とは限らない

水道法施行令の第6条には、給水装置の構造・材質の基準の1つとして、配水管への取付口における給水管の口径が、その給水装置による水の使用量に比べて著しく過大でないことが定められています。

⚠️ 口径を大きくすれば安心、とは言えません

口径を大きくすると、基本工事費の負担が増え(口径が大きいほど金額が上がります)、水道料金の基本料金も上がります(口径が大きいほど高くなります)。メーターより先の給水管や設備の見直しが必要になる場合もあります。必要以上に大きくすることを前提に考えず、設計者や市指定給水装置工事事業者が見積もった必要水量をもとに判断してください。

必要な水量と口径は、設計者と市指定給水装置工事事業者が判断する

必要な口径は、読者自身が計算して決めるものではありません。設計者や市指定給水装置工事事業者が、設備の内容と使い方から設計水量を見積もって判断します。経営者や施工担当者が準備するのは、その判断に必要な情報です。

設計水量から口径が決まるまでの流れ

名古屋市の給水工事施行基準では、設計水量は給水管の口径を決める基礎とされています。水道管から直接給水する方式(直結式)では、一般に、複数の給水用具が同時に使われたときの水量(同時使用水量)から求めます。建物の用途、使用人数、給水栓の数などを考慮して決める、という考え方です。

この基準には、建物の種類ごとの使用水量の目安も掲載されており、飲食店などの項目もあります。ただし、この目安は一般的な建物の種類ごとの数値であり、表に明記されていない業態は、使用実態や類似業態の実績などから算出するとされています。数値をそのまま自分の店舗に当てはめることはせず、設計者の判断に任せてください。

設計者に渡すために整理しておきたい情報

相談前に手元にそろえたい情報

  • 増設後の席数と、混み合う時間帯の使い方
  • 水を使う設備と機器の一覧(厨房設備、洗い場、トイレの数、給湯機器など)
  • 現在のメーター口径(水道使用量のお知らせ、いわゆる検針票に記載されています)
  • 建物が賃貸か所有か、貸主や管理会社への確認が必要か
  • 建物が直結式か、受水槽を使う方式か
  • 営業開始予定日と、改装や設備工事の日程

受水槽を使うタンク式給水の場合は、施行基準上、1日当たりの使用水量やタンクの容量をもとに計画する考え方になります。自分の建物がどちらにあたるか分からないときは、貸主、管理会社、市指定給水装置工事事業者に確認してください。

依頼先は市指定給水装置工事事業者

水道法の第16条の2では、水道事業者は、給水区域で給水装置工事を適正に施行できると認められる者を指定できるとされています。名古屋市上下水道局は、市指定給水装置工事事業者以外が工事を行うと違反工事になると案内しています。

事業者は、名古屋市上下水道局の工事店検索で探せます。同ページでは、工事の代金は工事店によってさまざまなため、できるだけ複数の工事店から見積もりを取り、納得したうえで契約することがすすめられています。見積もりが有料の工事店もあるため、事前の確認が必要です。比較するときは、金額だけでなく、工事範囲、申請の代行の有無、説明の分かりやすさも見てください。

口径を大きくする手続きの流れと申込先

名古屋市では、給水管の口径を大きくする工事は「改造」にあたり、市指定水道工事業者に申し込みます。申請は、業者がお客さまに代わって上下水道局へ行い、この申請に設計審査手数料がかかります。

申込みから工事までの流れ

名古屋市上下水道局の給水装置工事のお申し込みの案内を整理すると、おおまかな流れは次のとおりです。

  1. 市指定水道工事業者に、口径を大きくする工事を申し込む
  2. 業者が工事に必要な調書を作り、お客さまに代わって上下水道局へ申請し、承認を受ける(設計審査手数料が必要)
  3. 上下水道局が行う工事がある場合は、その費用の概算額を前納する
  4. 屋内配管は市指定水道工事業者が施工し、道路に埋めてある配水管から宅地までの給水管引込工事は上下水道局が施工する
  5. 施工後に、上下水道局が行った工事の費用が精算される

上下水道局が行う工事の要否や範囲は、現場の状況で変わります。具体的な進め方は、依頼する市指定水道工事業者と上下水道局の窓口で確認してください。

設計審査手数料の返金と違反工事に注意する

設計審査手数料は、いったん納入すると、申込みを取り消しても返金されないと案内されています。口径や工事内容が固まる前に申請を進めず、設計者との打ち合わせで必要水量を確認してから申込みましょう。また、市指定以外の事業者による工事は違反工事になるため、依頼前に指定を受けているか確認することが大切です。

賃貸物件や店舗併用住宅の場合

賃貸物件で設備を変える場合は、工事の前に貸主や管理会社へ確認します。店舗併用住宅の場合も、住宅部分を含めた建物全体の水の使い方を設計者に伝えておくと、必要水量の見積もりがぶれにくくなります。

口径を大きくするときの費用項目と金額の見方

上下水道局へ支払う費用は、直接工事費、基本工事費、設計審査手数料の3つです。これとは別に、屋内配管など市指定水道工事業者が行う工事の費用は、業者の見積書で確認します。

3つの費用が何を指すか

名古屋市上下水道局のよくあるご質問では、改築などで給水管の口径を大きくする場合に、この3つを支払うと案内されています。

直接工事費

道路部分の掘削、管の布設、埋め戻し、舗装など、実際の工事に必要な費用です。現場の条件で変わります。

基本工事費

水道施設の整備費の一部を負担する費用です。口径を大きくする場合は、新しい口径と元の口径との差額になります。

設計審査手数料

調査・測量・調書審査にかかる費用で、申請1件ごとに必要です。口径ごとに金額が決まっています。

公式表に載っている金額

次の金額は、2026年10月時点の上下水道局の案内ページに載っている内容です。同ページの最終更新日は2024年10月31日と表示されています。100ミリ以上の口径は、公式ページで省略されています。

設計審査手数料は非課税で、1件につき次の金額です。

口径設計審査手数料(1件につき)
13ミリ2,400円
20ミリ・25ミリ4,800円
40ミリ・50ミリ14,500円
75ミリ36,000円

基本工事費は、消費税等相当額を含む金額です。口径を大きくする場合は、この表の新口径の金額から元の口径の金額を引いた差額になると案内されています。

口径基本工事費
13ミリ家事用 22,000円/その他 44,000円
20ミリ家事用 66,000円/その他 132,000円
25ミリ308,000円
40ミリ792,000円
50ミリ1,320,000円
75ミリ2,750,000円

13ミリと20ミリには「家事用」と「その他」の区分があります。店舗などの事業用がどちらに当てはまるかは、申込みの際に市指定水道工事業者や上下水道局に確認してください。

差額の考え方と、見積書で確認したい点

表の数字から計算する一例として、25ミリから40ミリに大きくする場合、基本工事費は792,000円から308,000円を引いた484,000円になります。これは表の金額から計算した例であり、実際の請求額ではありません。直接工事費、設計審査手数料、屋内配管工事の費用は含まれていません。

  • 上下水道局へ支払う費用と、市指定水道工事業者の工事費が分けて示されているか
  • 上下水道局が行う工事に、概算前納と施工後の精算があるか
  • 基本工事費が、新旧の口径の差額で計算されているか
  • 設計審査手数料が、申込み後は返金されない費用として扱われているか

引き込み工事の費用項目の全体像は、名古屋市の水道引き込み工事費用|設計審査手数料・基本工事費・精算の見方の記事も参考にしてください。

口径が変わると水道料金はどう変わるか

名古屋市の水道料金の基本料金は口径が大きくなるほど高くなるため、口径を大きくすると、使用量が同じでも基本料金は上がります。一方、実際の月々の負担は、使用量に応じた従量料金や下水道使用料でも変わります。

口径ごとの基本料金

名古屋市上下水道局の新料金の計算方法・早見表では、令和7年10月1日以降の検針分から適用される水道料金(一般用)の基本料金が次のように示されています。いずれも2か月分の税込金額です。

口径基本料金(2か月分・税込)
13mm1,694円
20mm2,838円
25mm4,796円
40mm15,906円
50mm31,350円

たとえば25mmから40mmに大きくする場合、基本料金は2か月分で4,796円から15,906円になり、差は11,110円です。これは基本料金だけの差で、従量料金は含まれていません。

旧料金の「業務用」の区分は、現在は「一般用」に統合されたと案内されています。自分の店舗がどの区分にあたるかは、検針票や上下水道局で確認してください。

使用量が増えると、従量料金と下水道使用料も増える

水道料金は、基本料金と従量料金の合計です。従量料金は、使えば使うほど1立方メートル当たりの単価が高くなる仕組み(逓増方式)です。水の使用量が増える店舗では、基本料金だけでなく従量料金も合わせて見積もる必要があります。

下水道使用料も、汚水の排出量(水道水の場合は水道の使用量)に応じて増えます。また、上下水道料金のしくみには、事業場などから出る汚水について、汚れの度合いに応じた水質使用料(濃度使用料)があると説明されています。自分の店舗がこれにあたるかは、上下水道局に確認してください。

営業開始日から逆算するスケジュールの考え方

営業開始日が決まっているときは、水道の確認を設備の発注や内装工事の前に始め、保健センターへの相談と並行して進めるのが安全です。

保健センターへの事前相談と営業許可の申請時期

飲食店など食品取扱施設の営業許可が必要な場合、名古屋市の食品取扱施設の営業許可の案内では、施設の工事に着手する前に、設計図面などを持って管轄の保健センターに相談するよう案内されています。申請書は、営業開始予定日の少なくとも20日前までに手数料を添えて提出し、施設の審査を受けます。営業許可書の交付までには数日かかるため、開店日を事前に相談するよう案内されています。

営業許可の案内ページからは、給水設備に関する具体的な基準までは確認できませんでした。水の使用量や給水設備が施設の基準にどう関わるかは、水道工事と並行して、設計図面を持って保健センターに確認してください。

水道工事の日数は一律ではない

口径を大きくする工事の日数について、上下水道局の公開ページには、一律の日数の記載を確認できませんでした。申請の審査、道路部分の工事が伴うかどうか、設備工事の順序などで変わる可能性があります。

水道の引き込みを伴う場合の流れや日数の考え方は、水道引き込み工事にかかる日数は?申請から使用開始までの流れと注意点の記事も参考になります。営業開始日に間に合うかどうかは、市指定水道工事業者に、申込み時点で工程の見込みを確認してください。

営業開始への影響は断定せず、関係機関に確認する

水の使用量に対して給水設備が足りない場合に、営業開始がどうなるかは、物件や業態、設備の内容によって異なる可能性があります。遅れや営業停止の可能性を自分で決めつけず、上下水道局と保健センターの両方に確認してください。店舗改装の給排水工事全体の確認点は、店舗改装の給排水工事で確認すべき設備・申請・業者選びの記事も参考にしてください。

よくある質問(FAQ)

店舗の水の使用量が増えると、必ずメーターの口径を大きくする必要がありますか?

必ずしも大きくする必要があるとは限りません。増設する設備や同時に使う水量、現在の給水管の状態などから、設計者や市指定給水装置工事事業者が必要水量を見積もって判断します。判断の結果、口径はそのままでよい場合もあります。

口径を大きくする申込みは、自分で上下水道局にできますか?

名古屋市では、口径を大きくする工事は市指定水道工事業者へ申し込むと案内されています。申請は、業者がお客さまに代わって上下水道局に行い、この申請に設計審査手数料が必要です。

口径を大きくする費用は、何で決まりますか?

上下水道局へ支払う費用は、直接工事費、基本工事費、設計審査手数料の3つです。基本工事費と設計審査手数料は口径によって金額が決まり、基本工事費は新旧の口径の差額になります。直接工事費は現場の条件で変わり、屋内配管など業者の工事費は見積書で確認します。

申込みを取り消した場合、設計審査手数料は戻りますか?

戻らないと案内されています。名古屋市上下水道局の案内では、いったん納入された設計審査手数料は、申込みを取り消しても返金されません。口径や工事内容が固まってから申込みましょう。

口径を大きくすると、水道料金は高くなりますか?

基本料金は高くなります。名古屋市の水道料金の基本料金は、口径が大きくなるほど高くなる設定です。実際の負担額は、使用量に応じた従量料金や下水道使用料でも変わるため、最新の料金表で確認してください。

営業開始日に間に合うか不安です。いつから相談すればよいですか?

設備の内容と営業開始予定日が決まった段階で、早めに相談を始めてください。公開されている情報では、口径を大きくする工事の日数は一律に示されていません。保健センターの事前相談は工事の着手前、営業許可の申請は営業開始予定日の少なくとも20日前が目安として案内されているため、水道の確認もそれより前に進めておくと安全です。

まとめ:店舗の水の使用量が増えるときの口径と給水管の確認

店舗の水の使用量が増えるときは、必要な水量を設計者や市指定給水装置工事事業者に見積もってもらい、現在のメーター口径と給水管で足りるかを、早い段階で確認することが大切です。口径を大きくする場合は、市指定水道工事業者を通じて申し込み、上下水道局に直接工事費・基本工事費・設計審査手数料を支払います。

  • 確認の対象:メーターの口径だけでなく、宅内の給水管と水圧も見直しの対象になります
  • 口径の判断:大きくすれば安心とは限らず、必要な水量に比べて著しく過大でないことが基準の1つです
  • 費用:基本工事費は新旧の口径の差額で、設計審査手数料は返金されません。金額は最新の公式表で確認します
  • 水道料金:口径が大きくなるほど基本料金は高くなり、使用量が増えれば従量料金と下水道使用料も増えます
  • スケジュール:保健センターへの相談と並行し、営業開始日から逆算して早めに動きます

まずは、増やす設備の一覧と営業開始予定日を整理し、市指定給水装置工事事業者に口径と給水管の見直しが必要かを相談してみてください。

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