自宅の給水管が鉛製かどうかは、メーターボックス内の見た目だけで断定せず、名古屋市上下水道局の窓口か名古屋市指定の給水装置工事事業者(指定工事店)に確認するのが確実で、取り替えも指定工事店に依頼します。国土交通省は令和8年1月30日に「鉛製給水管の解消に向けた対応方針」をまとめ、家屋の建替えやリフォームの時期を捉えた別配管への更新を促す内容も盛り込みました。まず築年数とメーターボックス内の管の色や材質を確認し、判断できなければ営業センターか給排水設備課へ問い合わせてください。助成の金額や期間は年度で変わるため、最新の公式ページで確認することが前提です。
- 鉛製給水管かどうかを調べる方法と、名古屋市での確認窓口
- 国の対応方針(令和8年1月30日)の要点と、取り替え工事の一般的な流れ
- 費用の見方と、助成を確認する先
メーターボックス内の管を確認するときは、管を削ったり傷つけたりしないでください。漏水や破損につながるおそれがあります。
鉛製給水管とは?国が解消を進める理由と対応方針
鉛製給水管は、道路の配水管から分かれて蛇口(給水栓)までをつなぐ給水管のうち、鉛でできたものです。国土交通省によると、近代水道創設期から1980年代後半まで全国的に使われてきました。
鉛製給水管はどこの管のことか
国土交通省の配布物では、給水管を「水道事業者の配水管に取り付けた分岐部から給水栓までの管」とし、給水管は個人所有と示しています。鉛製給水管が使われている可能性がある範囲として、公道部から宅地部にかけての給水管が図示されています。
一方、名古屋市上下水道局は、道路部分の鉛製給水管の取替工事を平成14年度までにおおむね終えたと案内しています。宅地内には残っている場合があり、特に昭和30年以前に建てられた建物では使われていることがある、という内容です。詳しくは名古屋市上下水道局の「鉛製給水管について」で確認できます。市が管理する道路下の水道管の更新計画は、名古屋市の水道管更新計画の記事で整理しています。本記事では、宅地内の給水管に絞って扱います。
なぜ取り替えが進められているのか
国土交通省の配布物は、鉛製給水管の中に水道水が長時間滞留した場合、鉛管からの溶出により水道水の鉛濃度が水質基準を超過するおそれがあると説明しています。鉛には蓄積性があり、摂取量が多い場合は人の健康に対する影響が懸念される、とも記されています。
同じ配布物には、通常の使用では水道法に定められた水質基準に適合しており、直ちに健康を及ぼすことはない、との記載もあります。国は平成15年4月に鉛の水質基準を0.01mg/Lへ強化し、平成16年策定の「水道ビジョン」では、できるだけ早期にゼロにする目標を掲げてきました。件数は減っているものの、減少のペースは鈍化していると国は示しています。
国の対応方針の6つの取組と目標値
国土交通省は令和8年1月30日に、鉛製給水管の解消に向けた対応方針を取りまとめました。取組は次の6つです。
- 立入検査による計画策定の指導:鉛製給水管が残っているのに布設替え計画がない、または検討中の水道事業者が対象です。
- 広報の強化:所有者向けの配布物「ご自宅の給水管が鉛製ではないですか??」を作成しました。
- 残存件数や推移の見える化:残存件数をマップ化し、毎年更新します。
- 鉛管の利用を停止した時期の公表:築年数から鉛製給水管の使用可能性を把握できるよう、水道事業者ごとの時期をリスト化します。
- 布設替えに関する手引きの改定:令和8年度中の改定が予定されています。
- 家屋の建替え時等の鉛管更新:水道事業者や水道工事関係団体等に、建替えの時期を捉えた別配管への更新を求めています。
あわせて、令和10年度末に向けた目標値も示されています。
| 項目 | 現状(令和6年3月) | 令和10年度末の目標 |
|---|---|---|
| 鉛製給水管が残存している水道事業者の更新計画の策定率 | 35% | 100% |
| 鉛製給水管残存件数の年度ごとの解消件数 | 10.6万件(直近5年平均値) | 15万件/年度 |
これらは全国の取組を測る目標値です。所有者が取り替えを行う期限については、今回確認した範囲の資料に記載を見つけられなかったため、要確認とします。ロードマップ全体は対応方針の資料(PDF)で確認できます。
自宅の給水管が鉛製かを調べる方法
国土交通省の配布物は、所有者が自分で確認する方法と、水道事業者(水道局等)に確認する方法の2つを示しています。見た目は目安にとどまるため、確定は水道事業者や指定工事店の確認に任せるのが確実です。配布物は国土交通省の広報用配布物(PDF)で見られます。
メーターボックスの中で見る場所と見た目の目安
配布物では、メーターボックスの蓋を開け、内部の給水管(道路側と家屋側)の色や材質を確認する方法が示されています。見えた管が鈍い灰色なら、鉛製給水管の可能性があります。鉛管の接合部ははんだ溶接されている、とも紹介されています。集合住宅などでは、メーターがパイプスペース内にある例も示されているため、立ち入れる場所かどうかを含めて管理会社に確認してください。
鉛製の可能性がある見た目
鈍い灰色の管です。接合部がはんだ溶接されています。
鉛製ではない例
黒色でプラスチック製の管(HIVP:塩化ビニルのうち硬質な素材)や、灰色でも材質がプラスチック製と判断できる塩化ビニル管です。
塩化ビニル管も灰色など、鉛管に似た色をしていることがあります。色だけで決めず、材質まで見て判断する必要があります。
⚠️ 見た目は目安です。管を傷つけないでください
管の色や形だけでは、鉛製かどうかは確定しません。錆びていたりテープが巻かれていたりして判断できない場合は、自分で管を削ったり傷つけたりせず、名古屋市上下水道局か指定工事店に確認してください。メーターボックス内には水道メーターや止水栓があり、力を加えると漏水や破損につながるおそれがあります。
築年数と国の公表資料から見る目安
国土交通省の配布物は、特に平成元年度以前に建築された住宅にお住まいの方に、鉛製給水管の使用有無の確認を呼びかけています。名古屋市上下水道局は、昭和30年以前に建てられた建物では使われていることがあると案内しています。両者の示し方が異なるため、築年数だけで「該当しない」と判断するのは避けましょう。
国は、全国の水道事業者が鉛製給水管の利用を停止した年をまとめた事業者別の一覧(令和8年3月26日取りまとめ)を公表しています。この一覧で名古屋市水道事業の欄を見ると、「鉛製給水管の利用を停止した年」は1976年と記載されています。ただし、これは事業者単位の情報で、個々のお住まいの給水管の材質を示すものではありません。
名古屋市で鉛製かどうかを確認する窓口と手順
名古屋市上下水道局では、鉛製給水管についての問い合わせ先は、担当の営業センターまたは給排水設備課と案内されています。敷地内の給水管に関する確認は、窓口への来所が必要です。
窓口で確認するときのポイント
名古屋市上下水道局のよくあるご質問(敷地内の上下水道管の確認)には、次のとおり記載されています。
- 給水管や排水設備はお客さまの財産(個人情報)にあたるため、確認できるのは本人または代理人のみです。
- 来所時には、運転免許証など来所者を確認できる身分証明書が必要です。代理人の場合は、委任状など代理であることを確認できる書類も必要です。
- 受付時間は、月曜から金曜の午前8時45分から午後5時15分です(休日・年末年始を除く)。
このご質問は「敷地内に上下水道管があるか」についてのものです。鉛製かどうかも同じ窓口で確認できるか、費用がかかるかは、確認した案内に記載がありませんでした。来所前に電話で、持ち物とあわせて確認すると安心です。
電話番号は、給排水設備課が052-972-3647(鉛製給水管の案内ページと助成制度のページの記載)、お客さま受付センターが052-884-5959です。敷地内の管の確認に関するご質問ページには、給排水設備課の番号として052-972-3738の記載もあります。番号は変更されることがあるため、問い合わせの前に公式ページで最新の番号を確認してください。
担当の営業センターは、お住まいの区域によって異なります(助成制度のページの記載)。
| 営業センター | 主な担当区域 | 電話番号 |
|---|---|---|
| 東部営業センター | 千種区・東区・中区・守山区・名東区 | 052-722-8750 |
| 北部営業センター | 北区・西区・中村区、北名古屋市久地野地区、清須市(春日地区を除く)、あま市甚目寺地区、大治町 | 052-419-5666 |
| 西部営業センター | 熱田区・中川区・港区・南区 | 052-352-2511 |
| 南部営業センター | 昭和区・瑞穂区・天白区・緑区 | 052-899-5155 |
指定工事店・不動産会社・管理会社を通じて確認する場合
窓口に行く時間が取れない場合は、指定工事店に現地を見てもらう方法もあります。見積りに料金がかかる業者もあると名古屋市上下水道局が案内しているため、調査や見積りが有料かどうかは、依頼前に確認してください。
建物の購入を検討している段階では、窓口で確認できるのは本人または代理人に限られます。売主や不動産会社を通じて、給水管の材質や過去の工事の記録があるかを確認する方法が考えられます。賃貸住宅など所有者ではない場合は、国土交通省の配布物でも、管理会社等に布設替え等の対応を依頼するよう案内されています。
鉛製だった場合の取り替えの流れと依頼先
鉛製と分かった場合、取り替え工事は名古屋市指定の給水装置工事事業者(指定工事店)に依頼します。名古屋市上下水道局は、名古屋市水道給水条例で給水装置の工事や修繕は指定を受けた事業者が施工しなければならないと定めている、と案内しています。ご自身で配管を取り替えることは避けてください。国土交通省の配布物は所有者による布設替えの検討を、名古屋市上下水道局は改築などの機会に他の材質の管へ取り替えることを、それぞれすすめています。
取り替え工事の一般的な流れ
以下は一般的な進め方の整理です。実際の手順や必要書類は、工事店と営業センターで確認してください。
- 窓口または指定工事店に、給水管が鉛製かどうかを確認します。
- 名古屋市上下水道局の工事店検索などで指定工事店を探し、現地調査と見積りを依頼します。
- 見積書で、工事の範囲、内容、金額、追加費用の条件を確認し、納得してから契約します。
- 助成制度を使う場合は、工事の前に事前申請をします。申請は、依頼を受けた指定工事店がお客さまの代理として担当の営業センターに行います。
- 工事を実施します。工事日程や、水が使えない時間帯の有無を事前に確認しておきます。
- 工事の完了を確認します。助成制度を使う場合は、工事完了届の提出も必要です。
建替え・リフォームのときの考え方
国土交通省の事務連絡には、鉛製給水管を使用している住宅等の建替えやリフォームの時期を捉え、水道事業者や水道工事関係団体等から別配管での更新を促してもらうことを対応方針に盛り込んだ、と記載されています。建替えやリフォームを計画する際は、設計や工事を依頼する指定工事店に、給水管の材質と取り替えの扱いを確認しておくと安心です。
ただし、名古屋市の助成制度では、建築物の建替えに伴う給水装置の全面改造工事は対象外とされています。建替えを予定している場合は、助成を使えるかどうかを工事の前に営業センターで確認してください。
取り替え費用の見方と助成の確認先
取り替え工事の費用について、今回確認した国土交通省と名古屋市上下水道局の資料には、金額の目安は示されていませんでした。本記事でも金額の目安は示しません。工事の範囲や現場の状況で変わるため、指定工事店の見積書で確認してください。
見積書で確認したい項目
見積書のチェックリスト
- 取り替える範囲(どこからどこまでの管か、鉛管の全部か一部か)
- 取り替え後の管の材質
- 掘削や、舗装・地面の復旧が見積りに含まれているか
- 追加費用が発生する条件
- キャンセル料、出張費、調査費、夜間料金の有無
- 工事の日程と、水が使えない時間帯の有無
- 工事後の保証の有無と内容
- 助成制度を使う場合の、事前申請や完了届の手続きの担当
1社だけで決めず、複数の指定工事店から見積りを取り、内容を比べると判断しやすくなります。料金の安さだけでなく、範囲や説明の分かりやすさもあわせて見てください。
名古屋市の助成制度(令和8年度)の確認ポイント
名古屋市上下水道局は、宅地内の鉛製給水管を取り替える工事費の一部を助成しています。宅地内の鉛製給水管取替工事の助成制度のページでは、令和8年10月時点で次のように案内されています。
- 助成額は、工事費用の2分の1で、上限は20万円です。
- 対象は、公私境界から給水装置末端(じゃ口)までの鉛管の全部または一部を、鉛管以外に取り替える工事です。
- 名古屋市指定給水装置工事事業者(指定工事店)が施工する工事に限られます。
- 申請期間は令和8年4月1日から令和9年3月10日で、事前申請、工事、工事完了届の提出をこの期間内に行う必要があります。
助成額の算定に使う工事費用は、名古屋市上下水道局の基準により算出されます。見積額の半額がそのまま助成されるとは限らないため、申請前に営業センターで確認してください。助成の有無や金額、期間は年度で変わります。対象条件や申請の流れの詳細は、名古屋市の水道工事助成金の記事で解説しています。
取り替え前後に気をつけたい注意点
鉛製給水管の話題では、不安につけ込んだ訪問勧誘と、使い始めの水の扱いに注意が必要です。
鉛管を理由にした訪問勧誘
名古屋市上下水道局は、お客さまの依頼なしに訪問して、宅地内の給水管・排水管を有料で点検・修理することはないと案内しています。局職員は職員証を携帯しており、不審に思ったら提示を求めることができます。鉛管の取り替えを持ちかける訪問があった場合も、その場で契約せず、職員証や会社名を確認してください。
相談先は、お客さま受付センター(052-884-5959)、担当の営業センター、名古屋市消費生活センターです。名古屋市外にお住まいの方は、消費者ホットライン(188)に相談できます。詳しくは上下水道局職員や委託業者を装った訪問などへの注意喚起で確認できます。手口や対処の全体像は、水道工事詐欺の手口と対策の記事も参考にしてください。
使い始めの水の扱い
朝一番や外出などで長時間水道水を使わなかった場合、水質基準を超える鉛成分が検出されることがある、と国土交通省の配布物は案内しています。
⚠️ 長時間使わなかったあとの使い始めの水
使い始めの水は、バケツ1杯程度を、飲用以外の用途で使うよう案内されています。名古屋市上下水道局も、使い始めの水は約10リットル(バケツ一杯程度)を、飲用・調理以外に使うよう案内しています。ご自身やご家族の健康面の不安がある場合は、医療機関などに相談してください。
よくある質問(FAQ)
給水管が鉛製かどうかは、見た目だけで判断できますか?
見た目だけでは確定できません。メーターボックス内で鈍い灰色の管が見えれば鉛製の可能性がありますが、塩化ビニル管も灰色に見えることがあります。管を削るなどの確認は避け、名古屋市上下水道局か指定工事店に確認してください。
鉛製給水管は、いつまで使えますか?
使用できる期限は、今回確認した国土交通省と名古屋市上下水道局の資料からは確認できませんでした(要確認)。国土交通省の配布物は、鉛製給水管が使われている場合に所有者による布設替えの検討を案内しています。長時間使わなかったあとは、使い始めの水を飲用以外に使ってください。
名古屋市には、鉛製給水管の取り替えに助成制度がありますか?
あります。令和8年10月時点の公式ページでは、工事費用の2分の1、上限20万円で、令和8年4月1日から令和9年3月10日の期間内に事前申請、工事、工事完了届の提出が必要と案内されています。金額や期間は年度で変わるため、最新の公式ページで確認してください。
賃貸住宅で鉛製給水管が見つかった場合は、入居者が取り替えるのですか?
所有者ではない場合は、管理会社等に布設替え等の対応を依頼してください。国土交通省の配布物にも、所有者でない場合は管理会社等への依頼が案内されています。
鉛製給水管だとわかったら、水道水は飲めなくなりますか?
国土交通省の配布物には、通常の使用では水道法に定められた水質基準に適合しており、直ちに健康を及ぼすことはないと記載されています。ただし、長時間使わなかったあとの使い始めの水は、鉛濃度が高くなるおそれがあるため、飲用以外に使うよう案内されています。
まとめ:鉛製給水管の確認方法と取り替えの進め方
自宅の給水管が鉛製かどうかは、見た目だけで断定せず、名古屋市上下水道局か指定工事店に確認するのが確実です。取り替えは指定工事店に依頼し、費用は見積書、助成は最新の公式ページで確認します。
- 確認方法:メーターボックス内の鈍い灰色の管は鉛製の可能性がありますが、目安であり、管を傷つけずに窓口や指定工事店へ確認します。
- 国の方針:令和8年1月30日の対応方針で、建替えの時期を捉えた別配管への更新などが示されています。
- 取り替えの流れ:指定工事店で現地調査と見積りを行い、助成を使う場合は工事前に事前申請をします。
- 費用と助成:名古屋市の令和8年度の助成は工事費用の2分の1、上限20万円です。金額や期間は年度で変わります。
まずは築年数とメーターボックス内の管を確認し、判断できなければ、担当の営業センターか給排水設備課に問い合わせてください。

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