名古屋市の排水設備工事の手続き|指定排水設備工事店への依頼から接続期限・助成まで

名古屋市の排水設備工事の手続き|指定排水設備工事店への依頼から接続期限・助成まで

名古屋市で排水設備を新設・増設・切り替えるときは、まず市指定排水設備工事店に工事を申し込み、必要書類の作成と上下水道局への申請・承認を工事店に進めてもらうのが基本の流れです。下水道が使えるようになってからの期限は、排水設備の接続が3か月以内、くみ取り(汲み取り)便所の水洗化が3年以内と案内されています。浄化槽やくみ取り便所から切り替えて貸付金を使う場合は工事に着手する前の申請が必要なので、契約前に工事店へ伝えてください。

  • 排水設備工事の依頼先と申請者、申し込みから完成後の確認までの流れ
  • 接続の期限(3か月以内・3年以内)と、助成・貸付を使う場合の順番
  • 指定排水設備工事店へ依頼する前に聞いておきたいこと

この記事は、名古屋市上下水道局の公式ページを2026年10月に確認した内容にもとづいています。ページによっては最終更新が古いものがあるため、実際に工事を進める前に、金額や条件を指定排水設備工事店または上下水道局の給排水設備課でご確認ください。


排水設備工事は誰に頼み、誰が申請するのか

名古屋市では、宅内の排水設備工事は市指定排水設備工事店に申し込みます。工事店が申込人に代わって必要書類を作成し、上下水道局へ申請して承認を受ける仕組みです。

排水設備とは何を指すのか

排水設備とは、下水道に流すための敷地内の排水管やますのことです。下水道が使えるようになった場合、建物や敷地の所有者が排水設備を設置して下水道に接続する必要があり、設置後の維持管理も所有者が行います。一方、道路の下の下水道本体は上下水道局が維持管理しています。詳しくは、名古屋市上下水道局の排水設備についてのページで案内されています。

工事店と上下水道局の役割分担

排水設備の工事は宅地の中、取付管(宅地の排水設備と道路下の下水道本管をつなぐ管)の工事は道路の下、というように範囲が分かれ、担当者も異なります。

工事の範囲工事を行う人費用の扱い
宅地内の排水管・ますなど(排水設備)市指定排水設備工事店工事店の見積もりで確認します
道路下の取付管上下水道局局が申請者の負担額を算定し、納入通知書で前納します

宅地内は工事店への依頼、道路下は上下水道局が行う工事というように、窓口が分かれる点を押さえておくと手続きを追いやすくなります。申請書類は本来、申請者自身が行う手続きですが、排水設備工事に不慣れな方に代わって、指定排水設備工事店が図面の作成と提出を行う運用になっています。助成制度の申請も工事の手続きと切り離せないため、同じく工事店を経由します。

依頼先が指定を受けているかを先に確認する

⚠️ 排水設備工事は自分で行わず、指定を受けた工事店に申し込みます

名古屋市の下水道条例では、排水設備の築造・改築・増築の工事は、市の指定を受けた工事店が施工すると定められています。申請書類を取り次ぐのも指定排水設備工事店です。依頼先を決める前に、名古屋市上下水道局の工事店検索で指定を受けているかを確認してください。

申し込みから使用開始までの手続きの流れ

大きな流れは、工事店への相談、申請と承認、着工、完成届の提出、上下水道局の現場検査の順です。工事は、承認を受けたことを確認してから始める順番です。

排水設備工事の基本的な流れ

  1. 指定排水設備工事店に相談し、工事内容と見積もりを確認します。
  2. 工事店が「取付管・排水設備・水洗便所工事(承認)申請書」と排水設備図面などを作成し、工事店を経由して上下水道局に提出します。
  3. 上下水道局が申請書を審査します。工事店は、承認されたことを確認してから工事にかかります。
  4. 工事が完成したら、申請者は工事店を経由して「工事完成届兼使用開始届」を速やかに提出します。工事内容が当初の計画と異なる場合は、修正した図面に「完成図」と記載して添付します。
  5. 上下水道局が工事完成届を受理したあとに現場検査を行い、工事が適正に実施されたかを確認します。不適切な箇所があれば、工事店に指示して手直しを行わせます。

事前協議などが不要な給排水設備工事は、指定工事店がインターネットで申請できる電子申請の仕組みもあります。令和7年4月からは、従来の新築に加えて改築・増築も申請の対象になっています。工事店側の事務手続きなので、読者が操作する必要はありません。詳しくは、給排水設備工事の電子申請についてで案内されています。

道路下の取付管工事は申請と同じ時期に進める

既存の下水本管に取付管をつなぐ場合、取付管工事は排水設備などの工事と同じ時期に行うのが原則とされ、書類もまとめて提出します。上下水道局は申請書類を審査し、取付管工事費の納入通知書を申請者に送ります。納入を確認したあとに、局が取付管の工事を行います。くみ取り改造や浄化槽廃止を行う工事は、補助金や貸付金を使うかどうかにかかわらず、申請書の提出先が給排水設備課になります。

完成後の現場検査と、現地確認の訪問

完成後の確認には、工事完成届にもとづく上下水道局の現場検査があります。これとは別に、名古屋市上下水道局は排水設備工事完了後の現地確認についてのページで、局から委託を受けた業者が工事後に現地確認を行うと案内しています。

  • 現地確認は無料です。
  • 事前連絡はなく、業者が現地で直接、確認の了承を求め、お願いのビラを渡します。
  • 不在の場合は、業者の連絡先を記載したビラが投函され、日程を調整して改めて訪問します。
  • お客さまの許可なく敷地内に立ち入ることはなく、業者は身分証などを提示するとされています。

このページの最終更新表示は2018年5月です。突然の訪問で不安なときは、身分証の提示を求めたうえで、上下水道局の給排水設備課に確認すると安心です。現場検査と現地確認がどのように使い分けられているかは、公式ページに詳しい記載がないため、工事店または給排水設備課にご確認ください。

下水道が使えるようになったら、いつまでに接続するのか

下水本管が布設され、下水道が使えるようになった場合、排水設備の接続は使用できるようになった日から3か月以内、くみ取り便所の水洗化は3年以内と案内されています。

排水設備の接続は3か月以内

名古屋市の排水設備工事のお申し込みのページには、下水本管が布設された場合、下水道が使用可能になった日から3か月以内に排水設備を本管へ接続することが、名古屋市下水道条例で義務づけられていると記載されています。浄化槽を使っている場合の廃止後の跡地利用や廃止工事費は工事方法によって異なるため、工事店と相談するよう案内されています。

このページの最終更新表示は2019年4月です。ただし、先ほどの「排水設備について」のページ(2024年10月更新)にも、下水道が使えるようになった場合は3か月以内に設置・接続すると記載されています。

くみ取り便所は3年以内に水洗便所へ

くみ取り便所をお使いの方は、下水道処理区域内で下水道が使用可能になった日から3年以内に水洗便所へ改造することが、下水道法で義務づけられていると案内されています。排水設備の接続期限(3か月以内)とは別の期限なので、混同しないよう注意してください。

期限を過ぎたときの扱いは窓口で確認する

接続や改造の期限を過ぎた場合の扱いについて、前述の公式ページには罰則や行政指導の記載がありません。ご自身の敷地で下水道が使えるようになった日がいつか、期限が迫っている場合にどう進めるかは、給排水設備課または指定排水設備工事店に確認してください。なお、排水設備要覧及び関係図書の第4章には、水洗化や排水設備設置の義務に違反して法にもとづく命令を受けている場合は、補助金・貸付金の対象外になる扱いが記載されています。

くみ取り・浄化槽から下水道へ切り替えるときの助成と貸付

浄化槽の廃止とくみ取り便所の水洗化には、名古屋市の補助金と無利息の貸付金の制度があります。申請は工事店を通じて排水設備工事の申請と併せて行い、貸付金は工事に着手する前の申請が必要です。

切り替え工事の進み方

浄化槽を使い続けたまま下水道も使うと、下水道使用料と浄化槽の維持管理費の両方がかかるため、早めの廃止が勧められています。浄化槽の廃止とは、浄化槽を撤去するか、残す場合も環境保全に支障がないよう措置することをいいます。汚水を排水設備に接続しても、浄化槽を残したまま清掃や管理をしていないなど、環境保全上の措置がされていない場合は廃止工事とは扱われず、補助金の対象外となります。

工事の手続きは、前の章で紹介した排水設備工事と同じ流れです。工事店が排水設備工事の申請を行ったうえで、補助金や貸付金の申請書を提出します。完成後は工事完成届を出し、現場検査に合格したものについて補助金が交付されます。

補助金・貸付金の金額(2026年7月14日更新ページの記載)

名古屋市上下水道局の下水道の助成制度のページに掲載されている金額は、次のとおりです。

切り替えの種類補助金無利息の貸付金(限度額・毎月の返済額)
浄化槽を廃止して排水設備を設置する場合10,000円390,000円以内・毎月11,000円(端数は最終月)
くみ取り便所を水洗便所に改造して排水設備を設置する場合30,000円510,000円以内・毎月14,500円(端数は最終月)

金額は一戸あたりの記載です。排水設備要覧では、くみ取り便所の補助金と貸付限度額は対象大便器1個あたり、浄化槽廃止は1戸あたりとされ、集合住宅などは別ページの案内に従います。生活保護法などによる生活扶助や生活支援給付を受けている方が、くみ取り便所を水洗化する場合は、一般の補助金に代えて特別補助(255,000円まで)の制度があります。補助金の申請期限は、特別補助を除き、下水道の供用開始日から1年以内です。貸付金に申請期限はありません。

貸付金を使う場合は、愛知県内に住み独立した生計を営む連帯保証人を1名立てる必要があり、申請者と連帯保証人の印鑑登録証明書(3か月以内のもの)も求められます。貸付金は、工事を行った指定排水設備工事店に直接支払われます。地形の影響などで下水道への接続が難しい場合には、宅地内排水ポンプ設備の設置工事への補助(補助対象工事費のうち最高80万円まで)や、私道内の共同排水設備への補助など、別の制度もあります。

申請の順番と窓口

⚠️ 貸付金は工事に着手する前の申請が必要です

貸付金は、工事に着手する前に申請しなければ利用できません。補助金についても、排水設備要覧は、工事に着手する前に交付申請書を提出するとしています。工事店と契約する前に「補助金や貸付金を使いたい」と伝えておくと、順番を間違えにくくなります。

相談先は、補助金・貸付金については上下水道局の料金課、工事に必要な書類や手続きについては給排水設備課です。指定排水設備工事店でも相談できます。

費用の分かれ方と、新築・店舗で先に確認したいこと

排水設備工事の費用は、宅地内の工事は工事店の見積もり、道路下の取付管工事は上下水道局が算定した負担額というように、支払先ごとに考えると整理できます。

見積もりと納入通知書で費用を分けて考える

宅地内の排水管工事の料金は、工事店ごとに異なります。名古屋市上下水道局の工事店検索のページでは、複数の工事店から見積もりを取り、内容に納得してから契約することが勧められています。見積もりが有料の工事店もあるため、依頼前に確認が必要です。

道路下の取付管工事の費用は、上下水道局が申請者の負担額を算定し、納入通知書により前納します。申請に手数料が必要かどうかは、工事の内容によって受付の区分が分かれるとされているため、見積書にどこまで含まれているかを工事店に確認しておくと安心です。

大規模な建物や店舗・事業者が確認したい点

基準汚水量を超える大量排出者などは、関連工事費として、下水道施設の増強・改築費用の一部を負担金として徴収されることがあります。対象になるのは、たとえば延べ面積3,000㎡以上かつ4階以上(地階を含む)の建築物、取付管の内径が250mm以上のもの、1日の平均汚水排出量が100㎥以上のもの、地下街・地下駐車場・プールなど局長が定める特殊施設などです。該当するかどうかは、計画の初期に給排水設備課へ確認してください。

汚水を一時的に貯留する排水槽(地下排水槽)を設置する建築物は、建築基準法にもとづく建築確認申請の前に、上下水道局との事前協議が必要とされています。詳しくは、地下排水槽がある建物の排水工事で確認すべき手続き・臭気対策も参考にしてください。店舗の新設や改装では、保健所や消防などへの確認が別に必要になる場合もあります。関係機関に確認しながら進めてください。店舗の工事全体の確認点は、店舗改装の給排水工事で確認すべき設備・申請・業者選びで整理しています。

指定排水設備工事店に確認したいこと

依頼前に聞いておきたいのは、指定の有無、申請の取り次ぎ範囲、見積もりの内訳、助成・貸付の扱いの4点です。

指定の仕組みと探し方

排水設備要覧によると、指定排水設備工事店は、責任技術者を選任していること、排水設備工事に必要な機械器具を持っていること、愛知県内に事業所があることなどが指定の基準とされています。指定は5年ごとに更新を受けなければ効力を失います。また、指定排水設備工事店は、正当な理由なく工事の申し込みを拒んではならないと定められています。

探し方は、名古屋市上下水道局の工事店検索で、工事店名、業務内容(下水の工事など)、所在地から検索する方法です。指定を受けていることは依頼の前提条件であり、対応範囲や見積もりの説明の分かりやすさは、別に比べて判断します。給水側の指定との違いは、指定給水装置工事事業者と指定排水設備工事店の違いの記事も参考にしてください。

依頼前のチェックリスト

工事店に確認したい項目

  • 市指定排水設備工事店の指定を受けているか
  • 申請書類の作成から、上下水道局への申請・承認の取り次ぎ、完成届の提出まで、どこまで担当してもらえるか
  • 承認を受けてから着工する予定か、着工と完成の見込み時期はいつか
  • 見積もりに含まれる範囲はどこまでか(宅地内の工事、取付管工事の負担額、申請に関わる費用)
  • 追加費用が出る場合の条件と、契約後にやめた場合のキャンセル料の有無
  • 見積もりが有料か無料か
  • 浄化槽廃止やくみ取り改造のとき、補助金・貸付金の申請を取り次いでもらえるか、貸付金の着手前申請に間に合うか
  • 完成後の現場検査で手直しが必要になった場合の対応と、工事後の連絡先

見積もりを比べるときの考え方

料金の安さだけでなく、資格や対応範囲、見積もりの内訳、保証の有無、説明の分かりやすさも合わせて比べます。「必ず安くなる」「ここなら安心」といった言葉だけで決めず、見積書の項目を1つずつ確認してください。同じ条件で2~3社から見積もりを取ると、内訳の違いが見えやすくなります。

よくある質問(FAQ)

排水設備工事は自分で業者を選んで頼めますか。

排水設備の築造・改築・増築の工事は、市の指定を受けた工事店が施工すると名古屋市の下水道条例で定められています。そのため、名古屋市上下水道局の工事店検索などで、指定排水設備工事店の中から選んで申し込みます。

下水道が使えるようになったら、いつまでに接続しなければなりませんか。

下水本管が布設された場合、使用できるようになった日から3か月以内に排水設備を接続することが、名古屋市下水道条例で義務づけられていると案内されています。くみ取り便所の場合は、下水道法で3年以内に水洗便所へ改造することが義務づけられていると案内されています。

浄化槽やくみ取り便所から切り替えるとき、補助金や貸付金はありますか。

あります。名古屋市上下水道局のページでは、浄化槽廃止の補助金が10,000円、くみ取り改造の補助金が30,000円、無利息の貸付金の限度額が浄化槽廃止で390,000円以内、くみ取り改造で510,000円以内と掲載されています(2026年7月14日更新)。貸付金は工事着手前の申請が必要なので、工事の契約前に工事店へ伝えてください。

工事が終わったあと、確認や検査はありますか。

あります。工事が完成したら工事店を経由して工事完成届を提出し、上下水道局が受理後に現場検査を行います。これとは別に、局から委託を受けた業者が、無料で現地確認に訪れると案内されています。この訪問は事前連絡がなく、業者は身分証などを提示するとされているため、不安なときは身分の確認を求めてください。

指定排水設備工事店かどうかは、どうすれば確認できますか。

名古屋市上下水道局の工事店検索で、工事店名、業務内容、所在地から検索できます。見つからない場合や情報に不明な点がある場合は、工事店に直接確認するか、給排水設備課に問い合わせてください。

まとめ:名古屋市の排水設備工事の手続きと確認ポイント

名古屋市の排水設備工事は、市指定排水設備工事店に申し込み、工事店が書類を作成して上下水道局の承認を受けてから着工し、完成届と現場検査で完了する流れです。

  • 依頼先と申請:宅地内の排水設備は市指定排水設備工事店に依頼し、申請と承認の手続きも工事店が取り次ぎます。
  • 接続の期限:下水道が使えるようになった日から、排水設備の接続は3か月以内、くみ取り便所の水洗化は3年以内と案内されています。
  • 助成と貸付:浄化槽廃止とくみ取り改造には補助金と無利息の貸付金があり、貸付金は工事着手前の申請が必要です。
  • 工事店への確認:指定の有無、取り次ぎ範囲、見積もりの内訳、助成の扱いを契約前に確認します。

まずは名古屋市上下水道局の工事店検索で指定排水設備工事店を探し、ご自身の敷地の状況と助成・貸付を使うかどうかを伝えて、見積もりと手続きの進め方を相談してください。

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