水道工事を調べていると、「指定給水装置工事事業者」や「指定排水設備工事店」という似た言葉が出てきて、どちらに依頼すればよいのか迷うことがあります。
- 指定給水装置工事事業者と指定排水設備工事店の違い
- 給水管・排水管・水漏れ・つまりで確認する指定工事店の考え方
- 名古屋市で指定工事店を確認するときの見方と依頼前の注意点
こんな方におすすめの記事です
- 名古屋市で水漏れ修理やつまり修理を依頼しようとしている方
- 給水管工事・排水管工事・リフォーム時の水道工事で業者選びに迷っている方
- 「指定工事店なら安心」と考えてよいのか、依頼前に確認したい方
本記事では、指定給水装置工事事業者と指定排水設備工事店の違いを、給水と排水の工事内容に分けてわかりやすく解説します。(専門知識は不要です!)
💡 給水と排水は「入口」と「出口」で考えるとわかりやすいです
給水は、道路の配水管などから建物へ水を入れる側です。蛇口から水が出るまでの流れに関係します。一方、排水は、使った水を建物の外へ流す側です。キッチン・トイレ・浴室などで使った水を排水管や下水へ流す仕組みに関係します。
指定給水装置工事事業者と指定排水設備工事店の違いを先に整理
最初に結論をまとめると、給水管まわりの工事では指定給水装置工事事業者、排水設備まわりの工事では指定排水設備工事店を確認するのが基本です。
ただし、実際の水道工事では、給水と排水の両方が関係することもあります。たとえば、キッチンやトイレのリフォームでは、水を入れる配管と、使った水を流す配管の両方を確認する必要が出てくる場合があります。
給水は「水を入れる側」、排水は「使った水を流す側」
給水は、建物の中へ水を届ける側です。道路の下にある配水管から分かれて、宅地内へ水を引き込み、蛇口やトイレなどへ水を届ける部分が関係します。
一方、排水は、使った水を建物の外へ流す側です。キッチン、浴室、洗面所、トイレなどから出た水を排水管へ流し、公共下水道などへつなぐ部分が関係します。
給水側
水を建物へ入れるための配管や器具に関係します。蛇口、水道メーター、給水管などがイメージしやすい部分です。
排水側
使った水を建物の外へ流す設備に関係します。排水管、トイレ排水、キッチン排水、公共下水道への接続などが関係します。
確認する指定工事店は工事内容によって変わる
給水装置工事に関係する場合は、指定給水装置工事事業者かどうかを確認します。排水設備工事に関係する場合は、指定排水設備工事店かどうかを確認します。
名古屋市上下水道局の工事店検索ページでも、市指定給水装置工事事業者と市指定排水設備工事店は分けて説明されています。宅地内の給水装置の工事は市指定給水装置工事事業者へ、排水設備・水洗便所の築造工事などは市指定排水設備工事店へ依頼するよう案内されています。詳しくは名古屋市上下水道局の工事店検索ページで確認できます。
同じ業者が両方の指定を受けている場合もある
給水と排水で確認する指定は異なりますが、同じ業者が両方の指定を受けている場合もあります。そのため、「給水と排水で必ず別の業者に依頼しなければならない」という意味ではありません。
大切なのは、依頼したい工事内容に対して、その業者が必要な指定や対応範囲を満たしているかを確認することです。広告や名刺に「水道局指定」と書かれていても、給水側の指定なのか、排水側の指定なのか、両方なのかは事前に確認しておきましょう。
指定給水装置工事事業者とは何か
指定給水装置工事事業者とは、給水装置工事を適正に行えると認められ、自治体などの水道事業者から指定を受けた工事店のことです。
名古屋市上下水道局では、市指定給水装置工事事業者について、一定の資格を持ち、給水装置工事を適正に施行できると認められる者として名古屋市から指定を受けている工事店と説明しています。
給水装置工事を適正に行えると認められた工事店
給水装置とは、需要者に水を供給するために、配水管から分かれて設けられた給水管や、これに直結する給水用具を指します。法律上の定義を確認したい場合は、e-Gov法令検索の水道法も参考になります。
簡単に言えば、道路側から建物へ水を引き込み、蛇口などから水を使えるようにするための設備が給水装置にあたります。
給水管・水道メーター・蛇口までの工事で関係しやすい
指定給水装置工事事業者が関係しやすいのは、給水管の新設・改造・撤去、給水管の引き込み、建物内の給水設備に関わる工事などです。
たとえば、以下のようなケースでは、給水側の指定を確認する必要があります。
指定給水装置工事事業者を確認したいケース
- 新築時に水道を引き込む工事をする
- 給水管の改造や移設をする
- 水道メーターまわりや給水管の工事が必要になる
- リフォームでキッチン・洗面台・トイレなどの給水位置を変更する
水道工事に必要な資格や指定業者の基礎を詳しく知りたい場合は、関連記事の水道工事に必要な資格や指定業者の基礎も参考にしてください。
指定には更新制があり、最新の指定状況を確認する
指定給水装置工事事業者の指定は、一度受ければ永続的に確認不要というものではありません。名古屋市上下水道局では、令和元年10月1日から指定工事店の指定に有効期限が設定され、更新制が導入されたと案内されています。詳しくは名古屋市上下水道局の指定工事店制度の更新制についてで確認できます。
そのため、古い広告やチラシだけで判断せず、依頼前には自治体の公式検索ページや業者への直接確認で、現在の指定状況を確認することが大切です。
指定排水設備工事店とは何か
指定排水設備工事店とは、排水設備工事を適正に行えると認められ、自治体から指定を受けた工事店のことです。
給水が「水を入れる側」なら、排水は「使った水を流す側」です。キッチン・トイレ・浴室・洗面所などで使った水を、建物の外へ流す設備に関係します。
排水設備工事を適正に行えると認められた工事店
名古屋市上下水道局では、市指定排水設備工事店について、一定の資格を持ち、排水設備工事を適正に施行できると認められる者として名古屋市から指定を受けている工事店と説明しています。
排水設備や水洗便所の築造工事などは、市指定排水設備工事店へ依頼するよう案内されています。給水側の指定だけでなく、排水側の指定も確認する必要がある点に注意しましょう。
排水管・トイレ排水・公共下水道への接続で関係しやすい
指定排水設備工事店が関係しやすいのは、排水管の新設・改造、トイレの水洗化、公共下水道への接続、排水設備の工事などです。
たとえば、以下のようなケースでは、排水側の指定を確認した方がよいでしょう。
指定排水設備工事店を確認したいケース
- 排水管の新設・改造工事をする
- トイレの水洗化工事をする
- リフォームで排水位置を変える
- 公共下水道への接続に関わる工事をする
排水設備のルールは自治体ごとに確認する
排水設備の扱いは、自治体の条例や指定工事店制度と関係するため、工事する地域の公式情報を確認することが重要です。
国土交通省の資料でも、排水設備等の新設等の工事について、市町村長の指定を受けた指定工事店が関係する内容が示されています。制度の背景を確認したい場合は、国土交通省の下水道関連資料も参考になります。
名古屋市で工事を依頼する場合は、名古屋市上下水道局の公式ページで、市指定排水設備工事店かどうかを確認しましょう。
工事内容別にどちらの指定工事店を確認するか
実際に依頼するときは、「工事名」だけで判断するよりも、どの部分に関係する工事なのかを確認すると整理しやすくなります。
以下の表は、依頼前に確認する指定工事店の目安です。実際の対応範囲は工事内容や自治体のルールによって異なるため、最終的には名古屋市上下水道局の公式情報や業者への確認を行ってください。
| 工事・修理の内容 | 主に関係する側 | 確認したい指定 |
|---|---|---|
| 給水管の引き込み・改造 | 給水側 | 指定給水装置工事事業者 |
| 蛇口や給水管まわりの水漏れ | 給水側 | 指定給水装置工事事業者 |
| 排水管の新設・改造 | 排水側 | 指定排水設備工事店 |
| トイレの水洗化・排水設備工事 | 排水側 | 指定排水設備工事店 |
| キッチン・浴室・トイレのリフォーム | 給水側・排水側の両方 | 両方の指定や対応範囲を確認 |
水漏れ・給水管の修理で確認したい指定
蛇口から水が漏れる、給水管から水が漏れる、水道メーターまわりに異常があるといった場合は、給水側の工事に関係する可能性があります。
このような場合は、指定給水装置工事事業者かどうかを確認しましょう。ただし、水漏れの原因が排水管側にある場合もあるため、症状だけで断定せず、どこから水が出ているのかを落ち着いて確認することが大切です。
つまり・排水管工事で確認したい指定
キッチンやトイレのつまり、排水の流れが悪い、排水管を改造する必要があるといった場合は、排水側の工事に関係する可能性があります。
軽いつまりの解消と、排水設備の新設・改造工事では扱いが異なる場合があります。工事を伴う可能性があるときは、指定排水設備工事店かどうかを確認しておくと安心です。
リフォーム・新築では給水と排水の両方が関係することがある
キッチン、浴室、トイレ、洗面台などのリフォームでは、水を入れる給水側と、使った水を流す排水側の両方が関係することがあります。
新築時の水道工事でも、給水管の引き込みや排水設備の設計・接続など、複数の確認が必要になる場合があります。新築時の水道工事で起こりやすい注意点は、関連記事の新築の水道工事で確認したいポイントも参考にしてください。
名古屋市で指定工事店を確認する方法
名古屋市で水道工事を依頼する場合は、名古屋市上下水道局の工事店検索ページを確認するのが基本です。
工事店名で検索できるほか、業務内容や所在地から絞り込むこともできます。依頼前に、業者の名前だけでなく、どの業務内容に対応しているかも確認しておきましょう。
名古屋市上下水道局の工事店検索で確認する
名古屋市上下水道局の公式ページには、工事店検索機能があります。市指定給水装置工事事業者と市指定排水設備工事店についての説明も同じページ内で確認できます。
公式情報を確認する場合は、名古屋市上下水道局の工事店検索ページを利用してください。
水道の工事・下水の工事・水道の修理・下水の修理で絞り込む
名古屋市の工事店検索では、業務内容として「水道の工事」「下水の工事」「水道の修理」「下水の修理」などを選んで検索できます。
掲載情報だけでなく、業者へ直接確認する
名古屋市上下水道局の工事店検索ページでは、営業時間、定休日、業務内容、修繕受付時間、修繕区域などの一部情報は、各工事店からの情報提供に基づいて掲載されていると案内されています。
そのため、公式検索ページに掲載されている情報だけで判断せず、実際に依頼する前には、対応可能な工事内容、訪問可能エリア、見積もりの有料・無料、追加費用の条件などを業者へ直接確認しましょう。
指定工事店に依頼する前の注意点
指定工事店であることは重要な確認項目ですが、指定を受けているからといって、料金の安さや説明のわかりやすさまで保証されるわけではありません。
名古屋市上下水道局でも、工事・修繕の代金は工事店によってさまざまであり、できるだけ複数の工事店から見積もりを取ることをすすめています。
⚠️ 「指定工事店なら絶対に安心」とは考えない
指定の有無は大切ですが、それだけで業者の良し悪しを判断するのは避けましょう。見積もりの明確さ、説明のわかりやすさ、追加費用の条件、保証範囲、対応内容をあわせて確認することが大切です。
指定工事店でも料金や対応品質まで保証されるわけではない
指定工事店は、一定の要件を満たして自治体などから指定を受けている工事店です。しかし、指定を受けていることと、料金が必ず安いこと、説明が必ず丁寧であること、トラブルが絶対に起きないことは別です。
そのため、指定の確認とあわせて、見積書の内容、作業範囲、追加費用の発生条件、作業後の保証などを確認しましょう。
見積もり、追加費用、保証範囲を確認する
依頼前には、少なくとも以下の項目を確認しておくと安心です。
依頼前に確認したいポイント
- 見積もりは無料か、有料の場合はいくらか
- 基本料金、作業料金、部品代、出張費が分かれているか
- 追加費用が発生する条件を説明してくれるか
- 給水側・排水側のどちらに対応できるか
- 工事後の保証や再訪問の条件が明確か
水道工事の費用は内容によって大きく変わります。費用の考え方を詳しく確認したい場合は、関連記事の水道工事の費用相場と見積もりの注意点も参考にしてください。
説明が曖昧な場合はその場で契約しない
「今すぐ契約しないと高くなる」「詳しい金額は作業後でないとわからない」など、説明が曖昧なまま契約を急がせる業者には注意が必要です。
緊急の水漏れやつまりでは焦ってしまいがちですが、可能であれば複数の業者に相談し、料金や対応範囲を比較しましょう。高額請求や悪質な業者を避けるための確認項目は、関連記事の水道工事の悪徳業者を見分けるチェックポイントでも詳しく解説しています。
よくある質問(FAQ)
指定給水装置工事事業者と指定排水設備工事店は同じですか?
同じではありません。指定給水装置工事事業者は給水側の工事、指定排水設備工事店は排水側の工事に関係します。ただし、同じ業者が両方の指定を受けている場合もあります。
水漏れ修理はどちらの指定工事店を確認すればよいですか?
給水管や蛇口まわりの水漏れなら、まず指定給水装置工事事業者かどうかを確認します。排水管からの漏れやつまりが関係する場合は、指定排水設備工事店も確認しましょう。
トイレつまりは指定排水設備工事店でないと依頼できませんか?
軽いつまりの解消と、排水設備の新設・改造工事では扱いが異なる場合があります。工事を伴う可能性がある場合は、自治体の指定排水設備工事店かどうかを確認すると安心です。
名古屋市の指定工事店はどこで確認できますか?
名古屋市上下水道局の工事店検索ページで確認できます。工事店名のほか、業務内容や所在地から検索できます。
指定工事店なら必ず安心ですか?
指定は重要な確認項目ですが、料金や対応品質まで保証するものではありません。見積もり、追加費用、対応範囲、保証、説明のわかりやすさもあわせて確認しましょう。
まとめ:指定給水装置工事事業者と指定排水設備工事店の違い
この記事では、指定給水装置工事事業者と指定排水設備工事店の違いについて解説しました。
- 給水は水を入れる側、排水は使った水を流す側:まずは工事内容がどちらに関係するかを整理しましょう。
蛇口や給水管まわりは給水側、排水管やトイレ排水などは排水側に関係しやすいです。
- 給水装置工事では指定給水装置工事事業者を確認する:給水管の引き込み・改造・移設などでは、給水側の指定を確認します。
名古屋市では、名古屋市上下水道局の工事店検索ページで確認できます。
- 排水設備工事では指定排水設備工事店を確認する:排水管の新設・改造、トイレの水洗化、公共下水道への接続などでは、排水側の指定を確認します。
給水と排水の両方が関係する工事では、両方の指定や対応範囲を確認しましょう。
- 指定工事店でも見積もり確認は必要:指定の有無だけでなく、料金、追加費用、作業範囲、保証、説明のわかりやすさも確認しましょう。
複数の工事店から見積もりを取り、納得してから契約することが大切です。
水道工事の依頼先で迷ったときは、「給水側か排水側か」「自治体の指定を受けているか」「見積もりや説明が明確か」の順に確認すると、判断しやすくなります。

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