梅雨や台風の前は、屋外の排水まわりに落ち葉・泥・ゴミがたまりやすい時期です。雨水ますや排水ますが詰まると、敷地内の水たまり、悪臭、排水の逆流につながることがあります。
- 排水ます・雨水ます・汚水ますの違い
- 梅雨・台風前に確認したい点検ポイント
- 自分で掃除してよい範囲と、相談すべき症状の目安
こんな方におすすめの記事です
- 戸建て住宅で大雨前の排水トラブルを防ぎたい方
- 店舗や駐車場まわりの雨水ます・排水ますが気になっている方
- 管理物件で詰まり・逆流・悪臭の予防点検をしたい方
本記事では、梅雨・台風前の排水ます点検について、雨水ますの詰まりや逆流を防ぐために確認したいポイントをわかりやすく解説します。(専門知識は不要です!)
注:この記事では、家庭や店舗で確認しやすい範囲を中心に解説します。汚水があふれている、強い悪臭がある、排水が逆流している、床下浸水の恐れがある場合は、無理に作業せず、管理会社や専門業者などへ相談してください。
⚠️ 無理な作業は避けましょう
排水ますや雨水ますの点検では、ふたの上や周辺にある落ち葉・泥・ゴミを取り除く程度にとどめるのが基本です。高圧洗浄、配管の分解、奥に詰まった異物の除去などは、破損や症状悪化の原因になることがあるため、この記事では安易におすすめしません。
梅雨・台風前に排水ます点検が必要な理由
梅雨や台風の時期は、一度に多くの雨が降ることがあります。普段は問題なく流れている排水まわりでも、落ち葉や泥がたまっていると、大雨のタイミングで水が流れにくくなることがあります。
特に雨水ますは、雨水が下水管や雨水管へ入る入口です。名古屋市上下水道局も、雨水ますについて「雨が下水管に入る大切な入り口」と説明し、ゴミや落ち葉が詰まると浸水の原因にもなるため、雨水ますの上部をきれいにしておくよう呼びかけています。詳しくは名古屋市上下水道局「みなさまへのお願い」で確認できます。
短時間の大雨では排水能力を超えることがある
大雨への備えとして、排水ますや雨水ますを確認しておきたい理由は、短時間に強い雨が降る機会が増えているためです。気象庁は、全国の1時間降水量50mm以上の大雨の年間発生回数が増加していると示しています。最新の傾向は気象庁「大雨や猛暑日など(極端現象)のこれまでの変化」で確認できます。
排水設備には一定の排水能力があります。そこへ短時間で大量の雨水が流れ込むと、ますの上部が落ち葉や泥でふさがっているだけでも、水が流れ込みにくくなることがあります。
雨水ますの詰まりは浸水リスクにつながる
雨水ますの上に落ち葉、土砂、ビニール片、砂利などがたまると、雨水がますの中へ入りにくくなります。その結果、敷地内に水たまりができたり、玄関前・店舗入口・駐車場に水が残ったりすることがあります。
大雨が降ってから詰まりに気づいても、強い雨の中で作業するのは危険です。できれば、雨が強くなる前の晴れた日や小雨の前に、目で見える範囲を確認しておきましょう。
店舗・管理物件では営業や入居者対応にも影響する
店舗や管理物件では、排水トラブルが営業や入居者対応に影響することがあります。店舗入口に水がたまる、駐車場に大きな水たまりができる、共用部の排水が悪くなるといった状態は、来店者や入居者の不便につながります。
排水ます点検は、大がかりな工事ではなく、まずは「見える範囲を確認する」ことから始められます。大雨の前に確認しておくことで、早めに管理会社や専門業者へ相談する判断もしやすくなります。
梅雨・台風前に見ておきたい場所
- 建物まわりの雨水ます・排水ますのふた周辺
- 店舗入口・駐車場・道路境界付近の水が集まりやすい場所
- 落ち葉や泥がたまりやすい庭木・植栽の近く
- 雨どいの排水先や、雨水が流れ込む場所
排水ます・雨水ます・汚水ますの違い
排水ます、雨水ます、汚水ますは似た言葉ですが、役割が異なります。混同したまま掃除しようとすると、汚水が関係する場所を不用意に開けてしまうこともあるため、まずは大まかな違いを押さえておきましょう。
国土交通省は、下水の排除方式について、汚水と雨水を別々の管渠で排除する「分流式」と、汚水と雨水を同じ管渠で排除する「合流式」があると説明しています。下水道の基本的な仕組みは国土交通省「下水道施設の構成と下水の排除方式」で確認できます。
排水ますは排水経路を点検するための設備
排水ますは、家庭や店舗の排水経路を点検・清掃しやすくするために設けられる設備です。建物の外まわり、駐車場、通路、庭などに丸いふたや四角いふたとして設置されていることがあります。
「排水ます」という言葉は広く使われるため、雨水を扱うますを指している場合もあれば、生活排水や汚水の経路に関わるますを指している場合もあります。そのため、ふたを開ける前に、雨水なのか、汚水や雑排水なのかを無理に判断しようとしないことも大切です。
雨水ますは雨水を受ける入口
雨水ますは、雨水を受けて下水管や雨水管へ流すための入口です。ふたが格子状になっていたり、道路や敷地内で雨水が集まりやすい場所に設置されていたりします。
雨水ますの上や周辺に落ち葉・泥・ゴミがたまると、雨水が入りにくくなります。梅雨や台風前の記事で特に確認したいのは、この雨水ますの上部と周辺です。
汚水ますはトイレ・キッチンなどの排水に関わる
汚水ますは、トイレ・キッチン・浴室・洗面所などの排水に関係することがあります。汚水や雑排水が関係するため、悪臭がある、汚水があふれている、黒っぽい水が逆流しているといった場合は、無理に掃除しようとしないでください。
愛知県も、家庭や工場から出された汚水は汚水管を流れ、雨は雨水管から河川などへ放流されると説明しています。地域によって方式は異なるため、詳しくは愛知県「下水道のしくみ」も参考になります。
雨水ます
雨水を受ける入口です。落ち葉・泥・ゴミで上部がふさがると、雨水が流れ込みにくくなります。
汚水ます
トイレや生活排水に関係するますです。悪臭や汚水のあふれがある場合は、無理に触らず相談しましょう。
大雨前に確認したい排水ます・雨水ますの点検ポイント
排水ます点検といっても、最初からふたを開けたり、道具を使って奥まで掃除したりする必要はありません。まずは、外から見える範囲で「水の入口がふさがっていないか」「水がたまりやすい場所がないか」を確認します。
ふたの上や周辺に落ち葉・泥・ゴミがないか見る
最初に見るべき場所は、ますのふたの上と周辺です。落ち葉、泥、砂、ビニール片、紙くず、小石などがたまっていると、雨水がますへ入りにくくなることがあります。
雨水ますの上に落ち葉が重なっている場合は、ほうきやちりとりで取り除きます。泥が固まっている場合も、無理に奥へ押し込まず、表面の泥をすくい取る程度にしましょう。
ますの周辺に水たまりや沈み込みがないか確認する
晴れた日だけでなく、小雨のあとに確認すると、水がたまりやすい場所が分かりやすくなります。ますの周囲にいつも水が残る、地面が沈み込んでいる、ふたの周辺に泥が流れ込んでいる場合は、雨が強くなったときに排水が追いつきにくい可能性があります。
ただし、地面の沈み込みやふたの傾きがある場合、自分で直そうとすると危険です。通行や車両の出入りに支障がある場合は、管理者や専門業者へ相談してください。
店舗・駐車場・道路境界付近は優先して確認する
店舗や管理物件では、人の出入りが多い場所を優先して確認します。店舗入口、駐車場の低い場所、道路との境界付近、スロープの下、建物の外周などは、水が集まりやすい場所です。
道路側のますや公共部分に見える設備については、個人や店舗側で勝手に作業できない場合があります。ふたの破損、道路側の詰まり、公共ますと思われる場所の異常は、自治体や管理者へ確認しましょう。
自分で掃除してよい範囲と無理に触らない範囲
梅雨・台風前の点検で大切なのは、「自分でできる範囲」と「無理に触らない範囲」を分けることです。見える範囲の落ち葉や泥を取り除くことは予防になりますが、配管内部や汚水が関係する作業まで行う必要はありません。
自分でできるのは落ち葉・泥・表面のゴミ取りまで
家庭や店舗で行いやすいのは、ますのふたの上、周辺、見える範囲の落ち葉・泥・ゴミを取り除くことです。ほうき、ちりとり、手袋、ゴミ袋を用意し、雨水の入口をふさがないようにします。
掃除した泥や落ち葉は、ますの中へ流さず、ゴミとして処分してください。泥や落ち葉を奥へ押し込むと、かえって詰まりの原因になることがあります。
高圧洗浄・配管分解・奥の詰まり除去は安易に行わない
市販の道具や高圧洗浄機を使って、配管の奥まで掃除しようとするのは注意が必要です。水圧や作業方法によっては、配管やますを傷めたり、詰まりを奥へ押し込んだりするおそれがあります。
特に、汚水が関係している場所、強い悪臭がある場所、ふたを開けたときに水位が高い場所は、衛生面のリスクもあります。自分で完全に直そうとせず、早めに管理会社や専門業者へ相談しましょう。
⚠️ 汚水・悪臭・逆流がある場合は作業しない
汚水があふれている、強い悪臭がある、排水口から水が戻ってくる、複数の排水口で同時に流れが悪い場合は、表面の掃除だけでは解決しないことがあります。衛生面や建物被害のリスクがあるため、無理にふたを開けたり、配管内部を触ったりしないでください。
賃貸・店舗・管理物件では管理者へ確認する
賃貸住宅、テナント、管理物件、共用部のある建物では、排水ますや雨水ますの管理区分が分かれていることがあります。入居者やテナント側が勝手にふたを開けたり、薬剤や高圧洗浄を使ったりすると、トラブルになる可能性があります。
管理物件で排水の流れが悪い場合は、写真を撮り、症状が出る場所や時間帯を記録したうえで、管理会社や建物所有者へ連絡すると状況を伝えやすくなります。排水管や給水管の基本的なメンテナンスについては、排水管や給水管の掃除・メンテナンス方法の記事も参考にしてください。
逆流・悪臭・ゴボゴボ音があるときの相談目安
雨水ますや排水ますの周辺を確認しても、すでに排水の流れが悪い、悪臭がある、水が逆流するような症状がある場合は、予防点検の範囲を超えている可能性があります。
排水の流れが悪い・複数箇所で詰まる場合
キッチンだけ、浴室だけなど一箇所の流れが悪い場合は、その排水口付近の汚れが関係していることもあります。一方で、トイレ、浴室、洗面所、屋外ますなど複数箇所で同時に流れが悪い場合は、建物の外側や下流側の排水経路で詰まりが起きている可能性があります。
水位が下がらない、何度も同じ場所で詰まる、雨の日だけ症状が強くなる場合は、早めに状況を確認してもらう方が安全です。
汚水があふれる・悪臭が強い場合
汚水があふれている、強い悪臭がする、黒っぽい水や汚れが逆流している場合は、衛生面のリスクがあります。このような状態で、素手で触ったり、ふたを開けたまま放置したりするのは避けてください。
名古屋市では、排水設備や水洗便所の築造工事などは市指定排水設備工事店へ依頼するよう案内されています。名古屋市内で工事店を探す場合は、名古屋市上下水道局の工事店検索を確認できます。
すでに水漏れや水のあふれが起きている場合は、まず水を止められるか、どこから水が出ているかを落ち着いて確認することも大切です。初動対応については、水漏れ発生時の止水栓・元栓の確認方法もあわせて確認してください。
大雨時にトイレがゴボゴボする場合
大雨のときにトイレや排水口からゴボゴボ音がする場合、屋内排水管の空気圧が関係していることがあります。名古屋市上下水道局は、豪雨時に雨どいを通じて屋内排水管へ大量の水が急激に流れることで、排水設備の封水を押し出す現象が起こる場合があると説明しています。詳しくは名古屋市上下水道局「豪雨時、トイレ等の水が噴き出す事例が発生しています」で確認できます。
ただし、ゴボゴボ音の原因は建物の排水経路や雨どい、ますの状態などによって異なります。自己判断でふたを開けたままにしたり、配管を分解したりせず、症状が繰り返す場合は管理会社や専門業者へ相談しましょう。
名古屋市で確認したい雨水対策と助成制度
名古屋市周辺で排水ます・雨水ますの点検を考える場合は、個別のます掃除だけでなく、地域の雨水対策や助成制度もあわせて確認しておくと役立ちます。
名古屋市は雨水流出抑制を推進している
名古屋市上下水道局は、都市化により地表がコンクリートやアスファルトなどで覆われ、雨が地中に浸み込みにくくなり、大雨時に雨の多くが下水道や河川へ流れ出るようになっていると説明しています。その対策として、雨を地中に浸み込ませたり、貯めたりする雨水流出抑制を推進しています。
こうした背景を知っておくと、雨水ますの清掃や排水まわりの点検が、単なる家まわりの掃除ではなく、大雨への備えの一部であることが分かります。
雨水タンク・浸透雨水ますの助成制度も確認する
名古屋市では、雨水流出抑制施設である雨水タンクや浸透雨水ますの設置に対する助成制度が案内されています。制度の対象、助成額、申請時期、受付状況は変わる可能性があるため、最新情報は名古屋市上下水道局「雨水流出抑制施設設置への助成制度について」で確認してください。
助成制度を利用する場合、交付決定前に購入すると助成を受けられない場合があるなど、注意点があります。制度の詳細や関連する水道工事の補助制度については、名古屋市の水道工事・雨水タンク助成制度の記事も参考にしてください。
大雨前は雨水情報・ハザード情報もあわせて確認する
排水ますや雨水ますを点検しても、地域全体で強い雨が降る場合は、道路冠水や浸水リスクが高まることがあります。建物まわりの点検とあわせて、気象情報、自治体の防災情報、ハザードマップなども確認しておきましょう。
特に店舗や管理物件では、浸水しやすい出入口、地下・半地下、駐車場、倉庫、電気設備の近くなどを事前に確認しておくと、雨が強くなる前に備えやすくなります。
大雨前の最終チェック
- 雨水ますの上に落ち葉・泥・ゴミがないか
- 店舗入口・駐車場・建物外周に水が集まりやすくないか
- 悪臭・逆流・複数箇所の詰まりが出ていないか
- 管理会社や専門業者へ相談すべき症状がないか
- 気象情報・自治体の防災情報を確認したか
よくある質問(FAQ)
排水ますと雨水ますは同じものですか?
同じではありません。雨水ますは雨水を受ける設備で、排水ますは排水経路を点検・合流するための設備を広く指す言葉として使われることがあります。汚水ますはトイレや生活排水に関係するため、雨水ますとは分けて考えることが大切です。
雨水ますに泥や落ち葉があるとどうなりますか?
雨水がますの中へ流れ込みにくくなり、敷地内の水たまりや浸水リスクにつながることがあります。特に雨が多い時期は、雨水ますの上部がふさがっていないか確認しておきましょう。
自分で掃除してもよい範囲はどこまでですか?
ふたの上や周辺、見える範囲の落ち葉・泥・ゴミ取りまでが目安です。配管内部の洗浄、ふたを開けて奥の詰まりを取る作業、汚水が関係する作業は無理に行わないでください。
排水から悪臭がする場合はどうすればいいですか?
汚水ますや排水管内部の詰まりが関係している可能性があります。衛生面のリスクがあるため、無理にふたを開けたり掃除したりせず、管理会社や専門業者へ相談してください。
名古屋市で雨水タンクや浸透雨水ますの助成はありますか?
名古屋市上下水道局が、雨水タンクや浸透雨水ますの助成制度を案内しています。対象条件や受付状況は年度や予算によって変わる可能性があるため、申請前に公式情報を確認してください。
まとめ:梅雨・台風前の排水ます点検
この記事では、梅雨・台風前に確認したい排水ます・雨水ますの点検ポイントについて解説しました。
- 雨水ますは雨水の入口です:落ち葉や泥でふさがると、雨水が流れ込みにくくなり、浸水リスクにつながることがあります。
まずは、ふたの上や周辺にゴミがないか確認しましょう。
- 自分でできるのは見える範囲の掃除までです:高圧洗浄や配管分解、奥の詰まり除去は安易に行わないことが大切です。
泥や落ち葉は、ますの中へ押し込まず、取り除いて処分してください。
- 汚水・悪臭・逆流は相談の目安です:衛生面や建物被害のリスクがあるため、無理に作業せず、管理会社や専門業者へ相談しましょう。
複数箇所で同時に流れが悪い場合も、早めの確認が安心です。
- 名古屋市では雨水対策の公式情報も確認できます:雨水タンクや浸透雨水ますの助成制度など、地域の情報もあわせて確認しておくと役立ちます。
制度の条件や受付状況は変わるため、最新情報は公式ページで確認してください。
梅雨や台風の前にできる点検は、決して難しいものではありません。まずは、雨水ます・排水ますの周辺に落ち葉や泥がたまっていないかを確認するだけでも、詰まりや逆流の予防につながります。
ただし、汚水があふれている、強い悪臭がある、排水が逆流しているなどの症状がある場合は、無理に自分で直そうとせず、早めに管理会社や専門業者へ相談してください。

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